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Orfeon Blog

読んだ本の要約、感想など。 他にも日々思ったことをつれづれと書き連ねます。

ウィキノミクス 

ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ
ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ 井口 耕二

日経BP社 2007-06-07
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☆☆☆☆★
読んだ本カテゴリですが、要約を書こうとすると、その手間から書くことに億劫になってしまって、いつまでたっても更新できないので、とりあえず本を読んだら感想だけでもどんどん書いていくようにしたいと思います。もし要約を期待されていた方がいられたらすみません。とりあえず満足度が五つ星の本くらいは今後も要約を書いていきたいと思います。

感想
Web2.0が社会に与える影響について述べた本です。ミクロな視点からは消費者としてのサービスの楽しみ方、個人の働き方や働く意識の変化などを、マクロには会社や組織という枠組みの変化から、それによって変わっていく経営戦略のあり方などが述べられていますが、基本的にはコラボレーションのあり方がどのように変わりつつあるのかについてを様々な例とともに解説された内容になっています。Web2.0的な考え方や潮流などをまとめて俯瞰するためにはとても良い本だと思います。

自分にとって目新しかった点としては、所謂Web2.0的なコラボレーションの対象は、ネットで容易に流通可能で仕事の分割が比較的容易なソフトウェアなどの現実世界から受ける制約の少ないものに限定される思っていたのですが、本書ではサプライヤとの密なコラボレーションによってものすごい速さで発展したオートバイク企業やボーイングなどの例があり、このようなコラボレーションはウェブの持つ空間の制約を著しく軽減する特性だけから来るのではなく、仕事に参加する各プレイヤが自立的にそれぞれ得意な分野に向かって努力を出せるようなルールや価値観などを作り出すことが重要であることなどが挙げられます。

個人の持つ創造性は他人や組織から決められた仕事をこなすところからよりも、自分の選んだ道や得意とする領域から生まれる場合が多いのではないでしょうか。ウェブなどのネットワークによって人がそれぞれ持つ能力と、それを必要とするタスク間のマッチングが成立しやすくなり、個人としては自分の持つ才能を活かす機会が大きくなるという、本書で今後やって来るであろうと描かれているような社会は、今よりも実力主義的で厳しい社会になるかもしれませんが、これまでだと開花しないまま終わったかもしれないような才能やアイデアを活かせる機会が増えたとも言え、何かのアイデアや、熱意を持って取り組める対象を持っていても、実際に人を探してチームを作っていくなどの、実現のプロセスにおける社会的なコストから及び腰になっていた人にとっては面白い世界になっていくように思います。

また、最近は自作の小説、音楽、ゲームを作る人が多くなってきたように感じるのですが、やっぱり、自分の作った物を人から認めてもらえた時に得られる喜びは単にサービスを消費するよりも大きいもので、そうした自分の作ったものを公開することにコストがかからずに、公開したものに対するいろいろな人とのコミュニケーションが容易に取れる環境が整っていけば、人はサービスを消費することから、自らサービスを生み出していくことに、ますます楽しみの比重を移していくのかもしれません。そしてこうした個人が持つ、作り手に回りたいという欲求をうまく取り込んだ企業なり組織が、その分野でのプラットフォームを築いて発展していくのでしょう。
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Posted on 2007/06/28 Thu. 00:01 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 感想  ウィキノミクス  Web2.0 
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