09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

Orfeon Blog

読んだ本の要約、感想など。 他にも日々思ったことをつれづれと書き連ねます。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted on --/--/-- --. --:-- [edit]

category: スポンサー広告

TB: --    CM: --

--

ものづくり道 

ものづくり道ものづくり道
西堀 栄三郎

ワック 2004-07
売り上げランキング : 85016

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

☆☆☆☆
「動機」
最近国際的競争力が低下していると言われている日本でも、車や工作機械、精密機器など、もの作りに関る部門では依然強い競争力を維持している。こうした日本の強さについて興味を持って、 日本の品質管理の第一人者であり探検家としても知られる著者による技術論を読んでみました。

要約
本書では主に技術を生み出すための、創造性、チームワーク、現場からのアイデアの練り方、について、著者の技術観に絡めて言及しています。

創造性について、著者によると、日ごろ行っている仕事などで工夫してなにか新しい技術を生み出したくなるのは人が生まれつき持つ特性であり、創造性は人のいうことを聞いてしかたなく仕事をするのではなく自分から主体的に仕事に関ろうとする姿勢から生まれ、人に与えられる仕事はその人が行ったことが全体の中でどのような意義があるのかはっきりわかるようになっていて仕事に対してオーナーシップを持てるようになっている事が仕事に対する熱意を生むために必要であるとしています。 またそうした姿勢は自分が考えた工夫が実際に人に役立った時にフィードバックすることでより工夫するのが楽しくなるとしています。 こうしたことから、著者はアメリカから渡ってきた従業員を機械的に扱う品質管理の手法に対して懐疑的であり、現場で作業にあたる従業員にもっと仕事に対するオーナーシップを持たせることで、現場のなかから工夫を生み出すシステムを考案しました。

優れた仕事を行うためには他の人とのチームワークが大切で、登山家としての経験から、チームでの役割は人それぞれ異なるものの、皆が花形を目指すのではなく、一つの目的を成すためにはどの役割も同じで、各役割を大切にすることの大切さを説いています。一方、チームで新しいアイデアを出すには異なる意見を混ぜ合わせることが大切で、日本人は先の役割分担などでは上手くやるものの、異なる考えをチームで許容するのは苦手であるとしています。
またチームの活性化のためには"競走"が有効であることを説いています。競争は争ってどちらかを負かすためのものであるのに対し、競走はある共通の目的のために異なるアプローチで取り組み競うものであり、お互いのアプローチによる進捗を交換することでアイデアの切磋琢磨が促進されるとしています。

著者は自らの研究開発に対するアプローチとして、現場で気付いた異変などのきっかけから原因を突き止め研究の種を見つけ、それを元に新しい理論を作りその理論を元に現場での解決を図るという流れを説明しています。現場での異変から原因を求める際の統計的な考え方についても述べられているが、実際に工場などでは操業をとめるとコストがかかってしまうため、実験室的なアプローチは通用せず、観察することの大切さを説いています。また品質管理における統計的手法では、問題に対して手を打たないことによる損失よりも、過剰に無駄な対応することの方が損失が大きい場合が多く、過剰対応が厳しく諌められています。

感想
本書では、品質管理の簡単なアプローチや著者の研究に対する姿勢、技術者としての心構えなど、いろいろ述べられていて面白かった。特に理論を世の中に活かす為の"工夫"として技術を位置づけているのはありきたりかもしれないが、就職してからの職種と絡んでとても印象深かった。
品質の向上による産業の競争力には限界があるようにも思え、品質だけでなく利用者の用途にまで立ち入った工夫をすることが必要であると考えられる。 本書では従来の品質管理についてたくさん述べられていたものの、技術は、ものを作るためのものだけではなく人が便利に暮らすためのシステムそのものに対する工夫であるとする著者の態度は大変参考になる。

本書は主に考え方に関する著作であるため、本書で簡単に紹介されている統計的品質管理などの気付くための手法は詳しくは以前読んだ「意思決定のための分析の技術」などが参考になると思われる。チームの上手い運営方法などに関しても他にもっと詳しく載っている本があると思われるので追々読んでみたい。
スポンサーサイト

Posted on 2006/10/31 Tue. 00:49 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 要約  感想 
TB: 0    CM: 0

31

ウェブ進化論 

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫

筑摩書房 2006-02-07
売り上げランキング : 792

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

☆☆☆☆☆
これからのウェブがどういう方向で進化していくかの洞察を述べた本。

著者によるとウェブ世界での潮流として、仮想空間上でコストゼロで通信できる「インターネット」、技術革新による高機能サービスの低価格化として「チープ革命」、一つの仕事を複数の人が無償で行う「オープンソース」の3つを挙げていて、これらの潮流の結果、「神の視点からの世界理解」、「ネット分身経済圏」、「塵も積もれば高付加価値」の3つの動きが現れるとしています。

こうした流れを最大限体現している企業として、Googleを挙げています。Googleの特長として、とびきり優秀であること社内の人材が情報を完全に共有するマネジメントでめざましい効果を挙げていることや、世界中の情報を再構成するという遠大な構想を実現するために情報やそれを処理するシステムをインターネットのあちら側に置いたこと、アドセンスの仕組みによって情報の再構成のみならず、富の再分配システムまで構築してしまおうとしていることを挙げています。こうしたことを行うためにGoogleは技術をひたすら信奉し、自動化によって人が介在しないことで自立的で平等な情報の秩序を打ち立てようとしていることを強調しています。

またウェブ関連でよく使われている概念である「ロングテール化」にも触れていて、今までは「80対20の法則」、「ウィナーテイクオール」などと言われているように、一部の有名なサイトだけが多くの人を引き付けていたのが、検索技術の進歩などで、サイト閲覧者の本当に興味のある情報を簡単に見つけられるようになると、今まではそこそこ有用な情報を載せていながらも知名度の低さでほとんど見向きもされていなかったようなサイトが分相応のアクセスを得るようになり、またそのサイトにアドセンスなどで広告などの付加価値を付ければ塵も積もって大きな利益につながるとしています。そのためには自社が「インターネットの向こう側」に構築している情報をAPIを通じてみんなに使ってもらうことが重要になるとし、またインターネットの向こう側に作ったAPIはそれが持つ情報量から従来のOSなどのAPIよりもはるかに大きいメリットを開発者に提供し、その結果そのプラットフォームのサービスが充実するという好循環が発生するとしています。

またブログが多くの人に気軽に文章を書く機会を与えたことから、これまでよりはるかに多くの意見がネット上で存在するようになった。そのため従来のメディアなどで権威者だった書き手の権威が相対的に低下するであろうこと、またいままでの検索技術に加え、パーソナライズ化やソーシャルブックマーク利用などを通じて、プッシュ型の配信が行われるようになれば、より表現者になるための敷居は低くなり表現者としての権威を確立するのが実力次第になるものの、そこでの競争は激しく、またブログなどの記事が片手間に書かれることから報酬が小さくなってしまうという、プロの供給者としては厳しい時代になるであろうことを示唆していますが、今後はテキスト情報だけではなく、映像などのマルチメディア情報での検索技術の向上が必要となることなどから、従来の権威構造からの表現者の地位はそう簡単には低下しないだろうともしています。またブログの個人的意義としてはブログを通じた自分の情報開示による人脈構築や、フィードバックによる自己の知的成長を挙げています。

次にオープンソース化について、たくさんの人が協調作業することは衆愚につながるのではないかという疑問に対して、本書では楽観的な見方を示していて、そこそこの精度なら大勢で作っても使えるものになるのではないかとしています。こうした疑問が起こるのは先にも述べたように従来の権威者の権威の失墜を恐れたものであるとしています。またこうした個人が自分の利益を追求して全体の利益につながる仕組みを構築するためにはネットのあっち側全体の情報を使って神の視点から有意な情報を抽出することが大切であるとし、個々人のラベル付け情報をネットのあっち側で集積した情報を協調フィルタリングなどを用いて個人の検索にフィードバックさせたり、SNSでの人的ネットワークから情報を抽出して、検索クエリに対して誰がその分野に精通しているかをランキングしたリストを返すシステムなどを例として示唆しています。こうした不特定多数の情報をテクノロジーによって自動的に組織化することが今後のテーマになるだろうとしています。

本書ではインターネットのあっち側とこっち側、不特定多数を信頼するか信頼しないか、という2つの軸でこれまでのコンピュータの進化を振り返っていて、マイクロソフトによる遍くPCを普及させることがインターネットのこっち側の充実、Googleによる検索サービスをインターネットのあっち側への転換とし、今後は次の軸である、不特定多数の情報をいかにまとめるかが大切であるとしています。こうしたイノベーションに筆者が若い世代に強く期待していることなどが最後に述べられています。また検索技術などの向上によって情報共有が進むとそれまでの知識が今まで以上に速くコモディティ化してしまうことにも述べていて、自らのスキルに対して戦略的であることが必要であるとしています。

本書はロングテールやWeb2.0などの用語についても簡単に説明がなされていて、ウェブがこれからどういう方向に進むのかについて、あくまで著者の持つイメージだが非常に明確に知ることができます。またその技術が社会にもたらす可能性も、厳しい話もあるものの、とても面白いもので、こうした技術に対して楽観的に構えることがイノベーションを生むという姿勢も勇気付けられるものでした。ウェブの技術やビジネスに興味のある人にはぜひお薦めです。

Posted on 2006/10/30 Mon. 01:01 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 要約  感想 
TB: 0    CM: 0

30

考える脳 考えるコンピューター 

考える脳 考えるコンピューター考える脳 考えるコンピューター
ジェフ・ホーキンス サンドラ・ブレイクスリー 伊藤 文英

ランダムハウス講談社 2005-03-24
売り上げランキング : 76281

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

☆☆☆☆☆
人の知能を実現するための方法に関する著者の洞察を述べた本。

現在まで様々な人工知能のアルゴリズムが開発されてきたものの、それらは基本的には人間の知能を模すというより、それを参考にはするもののそれとは別にアイデアをひねり出すという工学的なアプローチが主流であることを述べ、人間の知能はその原理を完全に模すことでしか実現できないとしています。例えばニューラルネットなどは部分的に脳の仕組みをまねたものであるが、その仕組みは全く別物であることを引き合いに出しています。 しかし反面、人間の知能は動作の表面上がいかに人間に似ているかを試すチューリングテストで測られるものではなく、あくまで人間の感情や意思などを取り除いた知的処理について焦点を合わせるべきであるとして、著者は人間の知能として大脳新皮質に着目し、その本質として、時間的なシーケンスを学習すること、ニューロンが6層の階層構造からなっており、上位から下位への逆向きの情報の流れが存在すること、を挙げています。

大脳新皮質では下位のニューロンは感覚器から入力された一次的な情報を受け取り、上位に行くにつれ、より抽象的な情報を扱える仕組みになっているそうです。その際に、同じものを見ていてもそれが動いていると感覚器に入力される視覚情報は目まぐるしく変わるがそれを人は同じものとして認識できる。ではなぜ目まぐるしく変わる下位の情報を元に、上位のニューロンは安定した状態を保てるのか、という問いに著者は上位のニューロンの発火パターンの情報を元に下位の発火パターンに影響を与えるからであるとしています。つまり人の知能の本質の一つとして予測することを挙げていて、上位のニューロンでの予測を下位のニューロンにフィードバックすることでより安定した状態を保てるのだとしています。 また、今までの人工知能は静的なものを対象にしてきたものであるが、実際の人の脳は動きのなかで情報を処理するものであり、動くことのよってより多面的に物事を把握できるメリットのほかに、時系列の処理であると上位のニューロの予測を元にフィードバックをかけることができ、複雑な情報処理も可能になることを説明しています。

また本書ではこうした大脳新皮質を模した知能には人間の感覚器とは独立した、そのタスクに即した感覚器をつけてやることによってより高性能な処理を実現しうるとし、またその知能はコピーが可能であるため、知識を共有するのに便利であるとしています。またよくSF映画で出てくるような、ロボットが人間に反旗を翻すようなことは、ここでいう知能が人間の知的処理の側面のみに注目しているため起こりえないことなども説明しています。

本書は人の知能の実現について、直感的ではあるものの納得できる考えで、とても示唆に富む内容でした。もともと自分は人の脳の仕組みに興味を持ってニューラルネットの研究に携わったものの、実際のニューラルネットをはじめとする機械学習は統計的学習とも言い換えることができ、最初に人工知能に対して持っていたイメージと大分違うものであることに気が付き、人の脳は複雑系であるため実現するのは不可能であるとさえ思うようになっていました。しかしこの本には大脳新皮質の仕組みについて触れていて、それが比較的シンプルに、階層構造の上位から下位へのフィードバックとシーケンスを利用することで動作していることがわかり、人間の知能の実現に再び興味を持たせてくれるものでした。

Posted on 2006/10/25 Wed. 18:52 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 感想  要約 
TB: 0    CM: 1

25

意思決定支援とネットビジネス 

意思決定支援とネットビジネス意思決定支援とネットビジネス
藤本 和則 松下 光範 本村 陽一

オーム社 2005-10
売り上げランキング : 286624

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

☆☆☆☆
ネットにおける意思決定支援のための研究とビジネス動向についてコンパクトにまとめた本

本書の1~4章ではまず技術的な視点から述べていて、まず2章ではインタラクションについて述べています。インタラクションにおいてはユーザの持つシステムのイメージと実際のデザインを一致させることが大事であるとし、ユーザの要求が具体的なものだけではなく、あいまいである場合もあり、そういうあいまいな要求に応えるためにインタラクション技術について言及している。ますシステムとしてユーザの要求を理解する仕組みと、ユーザへの応答を提示する仕組みに分解でき、要求を理解するためにテキストから要求を理解するために概念を単語のベクトル空間であらわす方法について述べていて、またパラメータを操作することで要求を伝えるシステムについて説明しています。次に提示する情報をユーザにわかりやすく提示するために情報を2、3次元であらわしたり階層構造であらわしたり、クラスタリングとユーザによる選択を繰り返した絞込みなどが紹介されている。

3章では協調フィルタリングのためのユーザのモデリングの方法について言及していて、まず多くのユーザの閲覧履歴に基づいてユーザの類似度を定義する方法を述べ、それらの表現方法として確率的表現が適切であるとし、大量のデータから統計的に学習を行え、かつ要素間の因果関係をあらかじめ知識として学習に組み込める「ベイジアンネット」のアルゴリズムについて言及しており、その基本的な学習を推論のアルゴリズムについて説明がなされています。アルゴリズムの他のメリットとして、因果関係を可視化できることや、目的変数と説明変数の区別がないことから異なるタスク間での学習した知識の使いまわしが効くことを挙げています。

次にウェブ上に存在する大量のデータから知識を自動抽出するための方法について紹介を行っていて、自然言語からあらかじめ人手で必要とする情報を抽出するための決まったルールを作成して、そのルールに従った情報を抽出してゆくアプローチが述べられています。またこうして得られる情報には、特に主観的意見などでは人によって違いが生じるため、こうした違いを考慮して信頼度を評価するための指標についても言及しています。

5章ではユーザの意思決定を促進するための方法が紹介されていて、ユーザの意思決定のための有意義な情報として、気付き情報と理解納得の情報の2つを挙げていて、それら2つを用いたシステムについて紹介しています。気付きとして、対象の属性情報をユーザが選択し、その選択された属性によって多次元尺度構成法を用いて2次元描写してやりユーザの発見を促し、またそれらのコメント情報を検索したり、コメント情報から抽出したキーワードの相関関係をグラフ化した図を提示することで、これらの2つの空間を行き来することでユーザの要求を徐々に絞り込むとしています。

最後の章では研究成果をオープン化することでより良い効率でイノベーションを促進できるとしています。オープン化にはプログラム段階からのオープン化と、サービス段階からのオープン化があり、本書ではユーザとサービス業者をいっぺんに開拓できる後者のモデルについて言及しています。

本書は一見ビジネスに重きを置いたような本に見えますが、実際は人工知能学会が発行している本なので技術よりの本です。随所に紹介された手法の参考文献が載っており、最近の研究動向について知るためにはとても便利だと思います。また最近流行りのベイジアンネットワークについてもかなりやさしく説明がされていてためになりました。また本書を読んで思ったこととして、ユーザの閲覧履歴から情報を抽出する強調フィルタリングなどの手法もかなり研究されていますが、基本的に限られたユーザの情報を元にユーザの真の要求を推定するのは難しく、そのためにユーザとのインタラクションのデザインを工夫することがこれまで以上に検索技術で必要になってくるのではないかということが挙げられます。ここで得られたインタラクションの技術をよく咀嚼して自分の研究に活かしていきたいです。

Posted on 2006/10/24 Tue. 18:51 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 感想  要約 
TB: 0    CM: 0

24

「Jリーグ」のマネジメント 

「Jリーグ」のマネジメント―「百年構想」の「制度設計」はいかにして創造されたか「Jリーグ」のマネジメント―「百年構想」の「制度設計」はいかにして創造されたか
広瀬 一郎

東洋経済新報社 2004-09
売り上げランキング : 82824

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

☆☆☆★
Jリーグの成り立ちについての解説。W杯などを観ていてどのようにサッカーのリーグ運営が行われているのか、それに比べて日本サッカーがどのように成り立ったのかに興味を持って読んでみました。

要約
一時に比べて人気が落ちて久しいといわれているJリーグが実は他国のプロサッカーリーグからリーグ運営の成功例として研究されていることが述べられている。 W杯で日本が強くなるために環境としてプロリーグが必要ではないかというところからJリーグが発足した。 プロ化にあたっては当初各サッカーチームを所有する企業側での理解が得られずに苦労したが、プロ化する際に企業側の応募数がリーグの設定チーム数を上回り、それがその後のJリーグ運営側が主導権を握るきっかけとなる。他国のプロサッカーリーグが既存のチームの寄り合い形式で生まれたため、各チームの利害が優先される仕組みになっているのに対し、Jリーグはチーム参加数を絞り込む立場にいたため、各チームに対して収益配分や参加条件厳守の誓約など、強い力を持った組織として発足している。また他のスポーツに比べて、サッカーでは圧倒的な人気を誇るW杯を頂点とするヒエラルキーが存在し、各国に1つしか国の代表団体が存在し得ないこともJリーグの発言権の強さにつながっている。こうしたトップダウンの体制がリーグ全体を盛り上げる姿勢につながりJリーグの成功をもたらしたと考えられている。

参加チームに課される条件には、地域浸透を目指しチーム名に企業名を入れない、集客活動は各チームの自主性に任せながらも得られる利益は各チームで配分することなどがあり、読売のナベツネを激怒させたほどプロ野球に比べて厳しいものであったらしい。また条件には地方自治体との協力を義務付けるものがあり、これはスタジアムの整備などのコストが一企業には負担が大きすぎることもあるが、根本には地方と共同してサッカーの普及を図ることが主目的とされている。地方側は広報や教育においてサッカーの普及を助けることになる。

W杯やオリンピックにおける国際的な運営委員会の歴史についても紹介があり、かつて儲けが少なかったオリンピックやW杯において、開催国にその都度運営委員会を設けていたのをグローバルで一つの委員会が独占することで、さまざまな利権の強化を図った。今までは利用に際して管理がなされていなかった公式マークをスポンサーのみ利用可能にすることによるスポンサーシップの価値向上。放映権を1国1放映局にのみ独占的に販売することによる値段の吊り上げ、またスポンサーシップ契約を4年間でひとまとめにすることによる値段の吊り上げなどが行われた。著者はこうした工夫が癒着などの負の側面を持つものの、普及のために貢献した面も見逃せないとする立場を取っている。

各々のチームの経営的な成功について、チームの収益は、チケット収益、広告収益、放映権収益の3つが大きな柱であり、これらの収益をバランスよく育てることが大事であるとしている。一方、チームの支出で一番大きいのは選手の年棒や移籍金であり、一時期のサッカー放映権バブルにより選手の年棒や移籍金もそれにつられて高騰し、チームの支出が増えた。Jリーグ発足時にはたくさん来日していた海外の有名選手が急に日本に来なくなったのは欧州の年棒が急騰したのが原因であるらしい。しかしチームが強くなれば収益が即向上するというわけでもなく、また良い選手を入れればチームが強くなるとも限らず、選手への投資は非常にリスクの大きいものであり、このバブルにより選手に大きな投資をして収益が悪化して数多くのチームが撤退し、勝ち組、負け組みの差が開いた。大きな収益を上げているチームは選手への支出をなるべく押さえ、チームの成績になるべく依存しない収益モデルを構築するように工夫している。勝ち組に分類されるチームは放映権の高騰で得た収益を選手の年棒というフローではなく、スタジアムに高付加価値な観戦を提供するための増築などのストックに投資することで、観戦に来てくれるお客さんに対して満足度を高めてチケット収入を増しつつ、チームのブランド価値を高めることに注力していることが述べられている。

感想
本書はJリーグにおける運営方法について網羅的に述べられていて資料として大変価値のあるものであると思う。特に巻末に載せてある集客数や各チームの収入などの1次データは貴重であろう。ただ本書の構成については本文中にインタビュー内容を載せるなど、現場の臨場感を伝えようとしてのことであると思うが、自分としては読みにくかった。 また著者はJリーグの成功の秘訣を、マネジメントと顧客満足としているが、 マーケティングに関する著述は、読む限りでは理由の後付けに見えてしまったため、要約では書かなかった。内容的には☆4つでもいいと思ったがこれらの理由で3つにした。

スポーツにおいては一般の自由競争と違って、一つのチームだけが勝ち続けるのではなく、リーグ全体として盛り上げ、かつリーグ全体としてのコンテンツをいかに利益に活かすかということが大切であることがわかる。そのためにはW杯、オリンピックなど、過去の例から強力なトップダウンの仕組みが有効に働いていたこともわかった。
またテレビ放映が少なくなり衰退していると思っていたJリーグが、巻末の資料により、観客人数や収益などが堅調に推移していることがわかって新鮮だった。本書ではスポーツにおけるマネジメントについて焦点を当てていたが、Jリーグの理念であったサッカーの普及および国としてのサッカー戦力の向上についての成果についても知りたいと思った。

Posted on 2006/10/21 Sat. 00:46 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: Jリーグ  感想  要約 
TB: 1    CM: 0

21

オセロゲーム(JavaApplet) 

勉強がてらにアプレットプログラムを作ってみました。
そしてこれが実は遅まきながらのJavaデビューだったりする。
いちいち配布しなくてもアプレットだとブラウザで使ってもらえるのがいいね。
(ブラウザにJavaが入ってないといけないけど)
ちなみにJavaはここでダウンロードできます。
でもWebアプリケーションとしてはアプレットは最近だとマイナーな様子。
Javaに慣れたらJavaScriptやFlashなどにも首を突っ込んでみたい。
Javaが入ってないとブラウザが落ちるみたいなので続きを読むに入れてます。

まあ、といってもこのゲーム、
基本的にはこの前にVCで作ったオセロを移植しただけなんですが。
難易度は選べなくて設定は前作での"難しい"に相当します。
前と同じように、普段は7手先まで読んで、15手前からは完全に読みます。
15手前にコンピュータが読み切った時は上に勝利宣言を表示します。
10手前からは"最低"何石差で勝てるかを表示します。
ごくまれに早とちりすることもありますがそこは目をつぶってやってください。

ちなみに勝利の秘訣は隅を取らせることでしょうか。
簡単な評価関数だから隅にこだわりすぎるのがこいつの欠点です。

Posted on 2006/10/17 Tue. 01:19 [edit]

category: 自作プログラム

thread: ゲーム  -  janre: ゲーム

tag: オセロ  java  applet  アプレット 
TB: 0    CM: 2

17

鎌倉小旅行 

3連休3日目天気がかなり良かったので前から行きたかった鎌倉に行くことに。1時間半かけて鎌倉到着。休日とあってかなりの人で賑わう。やはり学生の特権で時間作って平日にくればよかったかな?とは思うものの、滅多にないお天気だったし、まあよかったかな。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
とりあえず鎌倉駅を出て鶴岡天満宮に向かう。まだ朝とあって人はまばらでした。自分は神社や寺なんかだと晴れなら夕方か早朝の雰囲気が好きなので(因みに一番は昼過ぎの雨)風情を堪能。夏になると祭りとかもやるみたいなのでその時にも来てみたいかも。小さい宝物庫を観てから線路沿いを歩いているといろいろと寺社があって趣深い雰囲気が漂っていました。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
そこから西にすすんで銭洗弁天宇賀福神社へ。坂道を登っていると洞窟が見える。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
これが入り口で洞窟を抜けると四方を崖に囲まれた空間に神社が。ここの霊水は鎌倉五名水のひとつである「銭洗水」、ここでお金を洗うと10倍にも100倍にも増えるといわれているそうです。せっかくなので自分も小銭だけちょこっと洗うことに。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
その後は山道を通って大仏目指してハイキングコースを歩く。もともと山登りやらハイキングは好きなものの正直病み上がりの身にはちょっと辛かったかも。そんなこんなで30分ほど歩いて鎌倉名物の大仏を拝む。周りには外国人旅行者が大勢いました。でも自分的には今まで回ってきた寺社の方が風情があって好きかも。外国から来た旅行人にもそういう日本の情緒的な風景をもっと観てほしいなあとも思ったり。しかし鎌倉に手裏剣やら刀やらトンファやら鎖帷子とか売っているのに驚く。鎌倉と忍者とかはあんまり結びつかない気もするけど、やっぱり外国人旅行者が好きで買ってくんだろうなあ。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
その後は南に進んで長谷を通って成就院に。途中に通った江ノ電のとても小さな踏切、こういうのってなんか好きです。成就院の階段からの由比ガ浜を見下ろす風景は本当に綺麗でした。梅雨は紫陽花がたくさん咲いてとても綺麗だとか。成就院のすぐ近くに江ノ電の極楽寺駅があるのですが、これがまたレトロ感漂うとても素敵な駅でした。こういうレトロ感が江ノ電の人気の一つなのかな。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
さらに南に進んで由比ガ浜に。10月だというのに快晴とあってか泳いでいる人が結構いました。そういえば今年は海に行ってなかったなあ。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
海沿いに歩くこと1時間、ようやく江ノ島に着く。近日の睡眠不足もあって動けなくなりそうだったけどリポD飲んで復活。締め切り前とかによくお世話になるけどやっぱり効果テキメン。江ノ島も人が沢山。乗り合い渡り船にて上陸。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
上陸後はとりあえず岩戸に行ってみる。幸い人は少なめ。洞窟内は暗いため撮影はできず。中は大して広くないものの、ロウソクを渡されて進むところとかはなかなかムーディー。島内は細い道沿いにたくさんラムネとかあるレトロな店が並ぶ。


2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
灯台からの景色も綺麗。まわりはカップルばっかりだったので浮いたけど。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
灯台を降りて瑞心門を観て降りて橋に戻ると人が盛り沢山。江ノ島には温泉もあるみたいだったけどお風呂セットを持ってきていなかったのと時間がなかったので断念。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
最後は江ノ電に乗って鎌倉まで戻って佐助稲荷神社に。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
佐助稲荷神社は日も暮れてきていい雰囲気を醸し出しておりました。

2006鎌倉小旅行

2006鎌倉小旅行
以上、かなり歩き回って疲れたけどいろいろと満足の一日でした。鎌倉は終の棲家としての人気の高い街だそうで、自分もこんな街にいつかは住んでみたいなあと納得。あと、まあこういう観光めぐりは普通は誰かと行くもんで、確かに江ノ島とかなら誰かと行く方が楽しそうだったけど、寺や自然とか観て回る時はいろいろ感傷に浸れるし一人でも十分楽しめます。そもそもそんなとこ一緒に回ってくれる人はいなさそうやしね。
次は筑波山かなあ。

Posted on 2006/10/10 Tue. 02:21 [edit]

category: 旅行記

thread: 国内旅行  -  janre: 旅行

tag: 鎌倉  江ノ島 
TB: 0    CM: 2

10

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。