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読んだ本の要約、感想など。 他にも日々思ったことをつれづれと書き連ねます。

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Posted on 2006/12/31 Sun. 23:59 [edit]

category: ブログ一覧

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31

使える!確率的思考 

使える!確率的思考使える!確率的思考
小島 寛之

筑摩書房 2005-11
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☆☆☆☆
感想
本書は確率的考え方を日常に潜む確率的な要素を絡めてわかりやすく説明しています。ただ日常的な話ではなく、著者が経済学者であることから経済学の観点からの発想が述べられていて、確率を通して経済学の考え方にも触れることができます。

要約
世の中が不確実性を含むという意味では世の中での営みは確率的な振る舞いを理解することが物事の本質をより理解するための助けになる。人がよく確率を知らないで犯す間違いとして、縁起を担いで宝くじの当たりがでたところでまた買ってしまうというものがある。しかし本当の乱数の生成は難しいため、人々の振る舞いにもなんらかの合理性がある場合もある。株で勝った人が書いた株必勝本などが売られているが、大数の法則によって、参加者数が大きければ買い方などに依存せず、必ず大勝する人が一定以上の割合で存在するので、必勝法が存在するのではなく、実はたまたま勝った人がいるに過ぎない。ランダムウォークの話として、一定期間中に勝ち(負け)続けることは度々あることで、これがツキと信じられている。またランダムウォークの特徴として、どちらかの金がなくなるまでやる賭けの勝負では、負ける確率はそれぞれの持ち金に比例するため金持ちとの勝負は勝ち目が薄いとされる。

確率には4つのアプローチがあって、それぞれ、数学的確率、頻度的確率、主観的確率、論理的確率、が存在する。数学的確率とは理想的なサイコロなどのように対称性などから振る舞いが数理的に導かれるものを扱うもので、厳密性は高いものの、現実への応用が狭いという難点がある。頻度主義はある事象の頻度を計ることで確率を付与するものであるが、精度の良い確率を求めるには沢山の試行が必要であることと、その確率が正しいためには試行の条件が未来でも普遍であることが必要であるため、実際の応用では制限を受けることが多い。主観的なものは、人の感じる確率を扱うもので曖昧さが付きまとうものの、過去のデータがあまりなくとも環境が不安定でも使えるというメリットがある。論理的確率は、人が推論を行う時に用いる様々な理由付けを組み合わせたもので、現在発展中のテーマでもある。

実際に確率を実世界に応用した例を紹介。不確実性をうまく利用した例として抜き打ちテストを挙げる。いつやるかわからないリスクに備えることが難しいため全ての授業に出るようになって少ないコストで出席率の向上が図れる。検問や査察などもこれと同様。逆に言えば規則性を読むことができれば利益を得る機会があるということにもなる。例えば大学受験などでは一年前の倍率を考慮してその年の倍率はそれと逆になることが多い。しかし株取引などのような規則を必死で読もうとする人が多いところではなかなかこれが通用しない。 次に臨機応変の話。授業で先生が試験を課すのは勉強してもらいたいからであるが、先生としては試験をするのはめんどくさい。したがって、試験をすると言っておいて学生に勉強させて 実際には試験はやらないのが先生にとって一番楽な選択となる。しかしそれがうまくいくのは最初だけで学生もそれを見抜くようになる。臨機応変に振舞えることが最初の宣言の信憑性を失わせるからである。したがって最初の宣言の信憑性を増すためには臨機応変さを納得いく形で封じることが必要となる。話は戻って不確実性の実用として、アンケートで答え難い質問に答えてもらうために、答えることに不確実性を付与することで本当のことを答えてもらい、不確実性は最後にその不確実の割合を削ぎ落として全体としての割合を知る、などの方法がある。他に、乱数を利用する方法としてモンテカルロ法を挙げ、乱数によって生成した条件で結果をシミュレートする実験を大量に行って、より適切な解を求める方法がよく用いられている。

統計データから何かの特徴を発見するための方法について。データをある程度の期間でのスパンで平均をとって中期間でのトレンドを見つける平均移動法などを挙げている。データから見つかる面白い特徴として、スポーツ選手になる人の出生時期は4、5月が多い、ことや、めでたい日まで死期を遅らせることができる、ことなど、推察を加えながら説明。こうした統計データを読むことは世界に対する好奇心を満たすきっかけとなるのではないだろうか。次に統計の要素として、平均と実際の値がどれほどのブレで起こりうるかを示す標準偏差についても言及。標準偏差が大きいほど期待される値とのブレが大きく、それだけリスク、およびチャンスの幅が大きいということになる。水位になぞらえて、平均が水位で、波の最大最小の高さが偏差に相当する。投資にもなぞらえて、企業の実力から割り出す投資では平均が重要で、短期的なチャンスを狙う投機では偏差が重要である。

統計には期待値という言葉があるが、機械の故障確率などの確率密度の期待値の値と実際に感じる頻度には隔たりがある場合がある。それは確率分布が幾何分布と呼ばれる、非対称で右肩下がりの分布で起こり、それは実際の平均値よりも右のテールで永延と続く頻度が小さい部分が期待値を押し上げているからである。豆知識としてはその平均値となる値以下となる割合は自然対数e-1:1となるそうである。幾何分布の性質としては現在の確率が以前の試行結果とは無関係である、無記憶確率であるということが挙げられる。無記憶性の例としては真空管などのある種の機械の故障発生率は、故障確率が作られてからの時間の長さとまったく関係の無いことなどがある。所得分布などでも平均と実際の感覚が違うのも同じような理屈である。この場合は最頻値を用いれば実態の感覚とより近くなる。ちなみに所得分布などは物理現象を表したエントロピーモデルでも表すことができ、これは人間社会でも何らかの単純な物理現象と同じランダムさが働いていることに繋がる証左ではないだろうか。

最初の確率のアプローチの分類で頻度確率と主観確率があったが、たくさんのデータから確率を求めようとするのが頻度主義であるが、そうしたものを前提とせずに確率を推論できる主観などを用いる手法としてベイズ推定というものがある。これは予想したい事象が事前に起こる確率(事前分布)を適当に仮定しておいて、それと、その事象だった場合に実際に起こった事象が起こる確率と用いて、実際に起こった事象が起きた時に、その原因となる事象である確率を求める手法である。事前確率という曖昧さがあるが、これによってデータがほとんど無い状態でも推定を行うことができる。推定を繰り返すごとに事前分布の精度が上がり、結果推定の精度も良くなっていく。ベイズ推定は人の推定モデルをよく表したものであり、ビジネスで非常によく用いられており、スパムメール推定やマーケティングなど利用範囲はとても広い。このベイズ推定の考え方を用いた経済理論として貨幣錯覚というモデルがある。これは流通貨幣の量によるインフレと失業率というあまり関係の無いはずのものが関係する理由を説明するものであり、市民にとってはインフレが流通貨幣の量に拠るものなのか、あまりあることではないが何かしらの需要供給関係が変化した結果なのかがわからないため、もし需要供給が変化した結果であれば対応しないといけないため、実際には流通貨幣が増えただけであっても、需要供給が変わった場合での振舞いを念頭に置いた行動を取ることになる。

社会現象に確率を用いた例を紹介。一般に確率それ自体は変化しないものであるが、銀行の取り付け騒ぎや癌の告知など、確率(それに関する情報)を公表することでその確率自体が変わってしまう自己言及性について。他には組織におけるやる気のある人とそうでない人の割合が一定であることを説明するモデルに自分がもらえる収益を最大化する戦略として確率を用いているものがある。日常的な確率感覚にとって重要な視点として、決断しなかった事象を観測することはできない、ということがある。人は自分の経験によって行動の基となる内的な確率を更新していくのであるが、たまたま判断して失敗した経験があると、その行動を取らなくなるためその行動に関する確率情報が更新されず、この性向は人を保守的にしてしまう。こうした状態に陥らないためには、確率を意識することが重要なのではないだろうか。

世の中の不確実性に対するための方策として、個人だけの経験にたよるのではなく、他人の経験に頼ることは有意義なことである。他の経験を基に行動を判断するモデルとして、様々な経験があってそれらの優位度があり、そして現在直面してる問題とそれら経験との類似度と優位度とを考慮して人は行動を決定するという事例ベース意思決定がある。また人の選択肢の多い手段を選ぶ程度をモデル化したものがあり、期待値を求める時に選択肢の最大値を利用することで、人の優柔不断性を説明している。貨幣などはこの人の優柔不断性を満たすものとしても考えられる。

最後に、著者は、人は判断を下す基として統計的な頻度をいつもあてにしているわけではなく、頻度における平均などで判断しようとするとその結果がもたらすことに見落とすものが多い。1%の死亡確率による期待損失X時間というものと、実際に死ぬこととは大きなギャップがある。人は自分の内面にもつモデルに基づいて行動するわけであるが、それらのモデルも各人が所属する社会と常に関っている。そうした社会を説明するためにも正しい選択と合理的な選択を解き明かしていきたいと思う。

Posted on 2006/12/28 Thu. 12:56 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 感想  要約 
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28

オリバー・ツイスト 

オリバー・ツイストオリバー・ツイスト
バーニー・クラーク ロマン・ポランスキー ベン・キングズレー

ポニーキャニオン 2006-06-30
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☆☆☆☆★
(このレビューはネタバレを含みます)
孤児院を追い出された主人公が彷徨った果てにロンドンに辿り着き、老人が仕切る少年窃盗団に入ることになって事件に巻き込まれてゆく…という話です。

前半はだいたい少年がかわいそうな話が続くのですが、あまり話に起伏が無くて正直途中までは☆3個半くらいの感じで観ていたのですが、最後の最後のシーンで意表を突かれました。
窃盗団では少年達を利用して稼ぎをピンはねして自分の保身のためには捕まった少年を犠牲にするどうしようもない奴で今まで自分の事しか考えてこなかった老人。とうとう捕まってしまい、死刑を前にして気が違ってしまっても未だ自分が助かることしか考えていません。そんな奴でも、それでも庇おうとする少年の優しさに触れて最後の最後で初めて少年を思いやる言葉を投げ掛けます。短いシーンなのですが、何というか、人が改心する瞬間というものに触れて強く感動してしまいました。

自分でも誰かの思いやりに気付かずに攻撃的な気持ちになっている時に、この映画とは心情の違いはあっても、ふとしたきっかけで相手の気持ちに気付いて相手に感謝する気持ち、自分を悔いる気持ちに変わる瞬間があったりします。
自分は、自分を殺そうとするような老人を最後まで庇おうとする少年の心の境地には辿り着けないかもしれませんが、自分が裏切ったのに、このどうしようもないはずの自分を庇ってくれようとする優しさに触れてふと思いやりを取り戻す瞬間の気持ちはわかるように思います。そういう意味ではこの映画では少年よりもこの老人の方に感情移入していたように思います(最後の瞬間ですが)。そしてその老人がどうしようもない奴だったからこそ、その気持ちに至れた事に感動してしまいました。

文章では伝わり難いと思いますが、やっぱり演出や老人役の演技が良かったと思います。最後のシーン、老人は気が違ってしまって取り乱していてるのですが、少年の言葉を受けてふと、態度はそれまでの取り乱した調子のままなのですが、少年に、自分が死んでも悲しまずに前に進むんだよと投げかけます(実際はもっといい台詞です)。 ふとしたきっかけで相手の気持ちに気付いて心が変わる瞬間というものは、本当に瞬間的にドラスティックに訪れるように思うので、こうした演出によってリアルに心が変わる瞬間を感じられたのが自分としては良かったです。

原作は読んでいませんが、主人公や老人以外にも本来はもっとそれぞれの人生を背負っていると思われる登場人物もいますが、他の登場人物は映画の時間的制約からかあまり深く描かれていません。ですので機会があれば原作の方も読んでみたいと思います。

Posted on 2006/12/25 Mon. 04:50 [edit]

category: 映画・漫画

thread: 映画★★★★★レビュー  -  janre: 映画

tag: 映画  感想  レビュー 
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25

パックマンのゲーム学入門 

パックマンのゲーム学入門パックマンのゲーム学入門
岩谷 徹

エンターブレイン 2005-09-17
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☆☆☆☆
感想
ブログパーツを公開してみてゲーム作りに興味を持ったことと、クリエイターがどのようにコンテンツを作っているのか、その発想の形に興味を持ったので読んでみました。
全体的に読んでみてゲーム作りの発想は、閃きも大切だけど難易度の設定やルール作りなど、地道に試したり理屈で考える部分が多かったのが印象的。対談ではいろいろな意見があるものの、直接ゲーム作りに関った岩谷氏や宮本氏や小口氏では、ゲーム性回帰の必要性、経験が発想の原点になる、納得性の高い難易度、など、考え方に重なる部分が多くあって面白かったです。
クリエイターとしての体験談としては、自分が作ったアーケードゲームを素通りされた時の悔しい経験や、自分の作ったものを人にやってもらって楽しんでもらうことをモチベーションにするくだりなどは、ほとんど経験の無い自分ではあるもののブログパーツ公開で感じたことと重なってとても共感でき、将来はゲームとは関り無い業界で働くことになる自分にとっても、ユーザの視点に立って考えることなど人に使ってもらって便利さを感じてもらうことに関る仕事ではこのモチベーションの感性を持つことの有意義さを確認できました。

要約
1章では著者の携わってきたゲーム開発に関してのエピソードを、2章ではクリエイターとしての実際のゲーム作りに対する考え方や着眼点などについてのアドバイスを、3章ではプロデューサーとしてのプロジェクトに関する留意点などを著者自信の経験を交えて述べている。4章以降はゲーム関係の著名人との対談となっている。

1章、著者がピンボールに夢中になったことや、遊びに関る仕事をしたくてナムコに入社した経緯などが述べられいている。著者が初めて手がけた「ジービー」はインベーダゲームの影に隠れてしまったものの、派手さを強調した「ボムビー」をリリース、その後、派手さだけでいいのかという自問から生まれた、女性にも受け入れられ易い、幾何学的デザインからキャラクターデザインに切り替えた「キューティQ」をリリースしてスマッシュヒットを飾る。そしてピザの形から食べることをモチーフにしたパックマンの着想にいたる。次に追いかけっこの要素に取り組むが敵キャラを後追い、先越し、対称、ランダムの4種類の行動パターンを持たせることで戦略性とキャラクター性の向上に成功。パワー餌によって逆に追いかける楽しさも持たせることでゲーム性の幅を広げる。女の子にも受けるために緊張感の緩和とキャラクター性の向上のためにステージの合間にデモアニメーションも用意した。また開発の最終段階でスピードを2倍にしたところスリル感が増すことに気がつき、ちょっとした調整がゲーム性を大きく変えることにつながると述べている。これらのアイデアが実を結んで、パックマンは日本や特にアメリカで大ヒットを記録した。
パックマン以後、日本でも「グラディウス」や「平安京エイリアン」、「ドンキーコング」など、オリジナルのゲーム性を追求したものが数多く出現した。当時のナムコは規模もまだ小さく、ゲーム業界自体も黎明期であったことからクリエイタが自由に自分の作りたいものを開発する雰囲気があり新しいゲームが次々にリリースされた。著者はナムコらしさを、どこか人の温かみのある新しいチャレンジ、としている。パックマンの次に取り組んだ「リブルラブル」はディスコで囲むことに着目したことが着想の元になった。このゲームは当初ゲーム中に宣伝を行うことでスポンサーを作る予定であったという。他にもタッチペンを使った絵本のゲームや、遊びたいゲームをケーブルテレビ回線からダウンロードするオンラインについても構想を広げていたそうである。 その頃から著者はプロデューサ業に移り始める。スキーの体感ゲームを開発した話では、実際のスキーと異なって足を並べたインターフェースになっていて、実際の動作とゲームとしての動作は必ずしも同じである必要は無く、こうした体感をゼロから自らの手でデザインできることも開発者の醍醐味であるとしている。

2章はこの本の基幹となる具体的なゲーム作りに関する部分である。 ゲームを作り手は、自分が楽しめるゲームを作るだけではなく、多くの人に楽しんでもらえるものを作る必要があり、そのためには自分の中にこの人に楽しんでもらえればみんな楽しんでもらえるだろう、という人物イメージを持つことを勧めている。著者の場合は気難しい職人さんのイメージだそうだ。 また面白いゲーム作りには発想が大切なのだが、そうした面白いアイデアは無から生まれるのではなく、これまで見たり経験してきた頭の引き出しにある"面白い"のアイデアを組み合わせて作るものであり、そうしたアイデアの引き出しをたくさん作るためには日頃の観察が大切であり、日常の中でちょっとした変わった事を探してみて、それがなぜそうなったか考えることがアイデアを創り出す元になることをエレベータが止まったときには階段そして使えることなどを例に出して説明している。 ゲームを遊んでもらうための必要条件として、注目してしまう、目的がわかりやすい、自分にもできると思わせる、注目を集める、などを挙げている。 他には既存のゲームを進化させた類のものがあり、最近はこちらのものばかり増えてしまっていることに警笛をならしている。 次にゲームをやってもらって楽しんでもらうための条件として、結末にいたるまでが変化に富んでいること。作戦性があること。イニシアティブを持っているように感じられること。ミス設定に納得がいくこと(上達を促す)。操作がスムーズであること。を挙げている。 難易度の設定が大切であり、初心者から徐々に難しくなっていくカーブの設定が緩すぎず、きつ過ぎず、バランスよく設定することが大切である。しかしいろいろな人がゲームをやるため、その人にあった個別の難易度設定を自動的にすることについても述べている。 著者のこれまでのゲーム作りにおいて、動詞(動作)から考えることがアイデアにつながってきたとしていて、"なめる"ことを例にゲームアイデアのイメージを膨らませていくことを説明している。 ゲーム作りにおいては発想を転換することも大切であり、一人で遊ぶことが主だった時代のアーケードゲームで、他人と対戦できるレースゲームで成功した後に、周りの反対を乗り越えて純粋な走りを追求した「リッジレーサ」を成功させたいきさつが述べられている。 さらに遊びの要素として思想家カイヨワが提唱した、決まったルール下で目的を達成するもの。運を楽しむもの。架空を楽しむもの。知覚の安定を崩すことを楽しむもの。を挙げて、それに、成り行きのつながり自体を楽しむこと、を付け加えることを提唱している。

3章からはプロデューサの立場からのゲーム開発についての部分となっている。まず企画の立て方について、初期の段階では議論の基準となる叩き台を常に企画者が持ち出す必要性を説き、あくまで叩き台であるため他の人の意見を取り入れて自分の意見を捨てる柔軟性が必要であるとしている。また企画は人を巻き込みながら作るものであり、早い段階から意思決定権を持つ開発者などと密にコミュニケーションを取り合ったりすることや、上司などに売り込むサービス精神も大切であるとしている。企画とは総合的な能力が必要とされる複雑な仕事であるが、上手い企画を立てるためにはまずは発想力、ユーザから求められているものを具現化するための情報収集&分析力。メンバーを仕事に巻き込むためのリーダーシップ。臨機応変に企画をまとめていく柔軟性を挙げている。企画が無事離陸したら次の実行段階としてプロデューサとディレクターが仕事を担う。ディレクターはゲーム開発を統括する立場であり、プロデューサはビジネス面などでの統括を担当する。ディレクター業務ではゲームというイメージ先行のあやふやなものを作るため、ディレクターが持つイメージを共有するためにも自信と部下、あるいは部下同士のコミュニケーションをうまく取らせることが大切となる。プロデューサの方はディレクターと被る部分は大きいものの、スムーズに良いゲームが作れる環境を整えることが大事で、そのために必要な能力としては、先天的要素が強いとしている問題に気付く力や、人を上手くまとめる折衝交渉力を挙げている。ゲーム開発の終盤で出てくるネーミングについてや、発売されて世に出た後の著作権などの権利についてや、ゲームが社会に及ぼす影響などについて、問題意識を持つことがゲームクリエイターにも必要であるとしている。

第4章からは著者と著名人との対談。最初は任天堂の宮本茂との対談でゲーム制作についての細かい話など。ゲームの良さを決める大きな要因である難易度について、著者が2章で述べていたように失敗したことが納得できるよう難易度を設計して、失敗してもプレイヤーの自発性をくすぐってもう一回やりたいと思わせるような、内容の伴った難易度の高さを考える必要について話し合ったり、ゲームのルール自体をプレイヤが自然に受け入れられるように設計することなどについて話している。最近の複雑化するゲームについても話が及び、宮本はクリエイターとして表現だけに頼ることは逃げにつながると、ゲーム性を重視する立場を示しつつ、ゲームにも世代間などのギャップがあって、ファミコン時代などを経てこなかった現在の一般の人にもゲームを遊んでもらうためには、「どうぶつの森」などのように難易度で興味を引っ張ってくる以外の方法も模索する必要性にも言及している。「ゼルダ」の難易度設定についても話が及び、宮本は難易度設定には非常に気を遣っていることを述べる。しかし難易度に頼っている時はゲームの面白さが足りない時であることが多いともしている。ゲーム作りの体制について、近年のゲーム制作は規模が大きくなり、責任などが曖昧になって面白さを追求しきれていなかったり、分業制になって、本来のゲーム性にかかわる移動速度などのあらゆるパラーメータを一人でみることが少なくなったことなどを問題として挙げている。またゲーム作りにおけるアイデア出しについて、宮本は考えが煮詰まった時は当事者以外の立場になったと考えることで客観的視点に立って問題を見ることなどを話している。最後に宮本は自身のゲームの方向性としてプレイヤが自発的に取り組みたくなるようなインタラクティブな面白さを追求したいとしている。
次はセガ社長の小口久雄との対談。小口も慣れるまでの時間が長い最近のゲームの複雑化に対してゲーム性を追求した原点回帰を図るべきだとしている。また良いゲームを作るためには気遣いが大切であり、自分が楽しく遊べるものを作ろうとしたのではなく、それで遊んでいる友人が楽しんでいる顔がみたくて作っていた体験を話し、面接などでも人に気遣いがどれほどできるかを見ていることを述べており、また小口も著者と同じく人間の面白いものを考える力は経験から来ているのではないかとしている。またゲームの続編について、新しいコンセプトを売りにしたものは本来それで完結しているので売れたからといって新しく続編を出そうとするとなにか付け足さないといけないという強迫観念から本来の面白さがぼやけてしまう事が多いのではないかと話している。また小口はゲームを作る時は企画時に完成されたイメージを持っていて、良いアイデアは大体"ひらめく"ものであるとしている。そういうひらめきのあるアイデアは往々にして周りには受け入れられなかったが、そういうアイデアには絶対の自信を持つことができたため通してきたし、他の良いクリエイターも提案には絶対の自信を持っていたことが多かったことを述べている。
糸井重人との対談が個人的につまらなかったこともあり以下は省略。

Posted on 2006/12/24 Sun. 04:09 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 感想  要約  ゲーム開発 
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24

暗算トレーナーを公開して 

時事ネタとかもっといろいろなこと書くつもりだったはずのつれづれ日記が、
自作プログラム関連に侵食されてきたような…

ブログパーツ公開第二弾となった暗算トレーニングですが、オセロと比べるとダウンロード数はだいぶ緩やかなものの、fcブログの共有プラグインからは今現在900件近くダウンロードしていただいてうれしい限りです。
ただ最近はプラグインを公開するユーザが増えてきて競争が激しくなってきました。管理画面トップ下の3つの新着プラグインに表示されるかされないかでダウンロード数がまったく違ってくるので、今後はますます短期勝負になりそうです。

今回は設置したブログを見に来てくれる人のため、というよりは、設置した人が自分のブログで楽しむ(鍛える)ためという目的にかなり絞ったものになりました。
他の暗算フラッシュ系のものに比べて違う点は、たいした違いではないものの以下の2点
 (1) ボタン入力式インタフェース
 (2) ユーザにレベル導入

ボタン入力式は他のものを使っていてマウスとキーボードを乗り換えるのがめんどくさかったのがあって、まして気軽に触れるブログパーツですからこれは結構重要かなと思っています。
レベル方式ですが、他の暗算フラッシュでは桁数や間隔時間を手入力する形式だったのですが、確かにこっちの方が自分のペースで調整できるため本気で取り組むのであれば適切だと思うのですが、ブログパーツとしては気軽に始められる方がいいかな、と思ったことと、前のオセロの時のように、コメント欄で話のタネになるようにと、簡単な指標にすることで競い合い易くすることを考えました。本人が取り組む際にもレベルだと目標としてもわかり易いかなと。レベルに関しては次のレベルにいかないと次のレベルの問題に取り組めないのですが、そっちの方が次の問題を見たいというモチベーションになるかなあなどと考えました。ちょうどJavaScriptの本を読んでいたらクッキーという便利なものがあって、すぐに実装できそうだから付けてしまおう、という勢いもありましたけど。

因みに作る際に一番悩んだのはこのレベル調整でしょうか。長く使ってもらうには、プレイヤーがやっていて常に上達を実感できるような上達曲線を描く設定をする必要があるのですが、これはかなり難しいです。そもそも暗算自体が線形に上達するものでもないかもしれませんし、そもそも人によって上達の度合いは異なってきますし。あるレベルからは自分でもクリアできなくなるために調整しようが無かったので適当になってしまいました。一流のゲームクリエーターの方も難易度設定はゲームの要といっておられますし、かなり取り組み甲斐のあるテーマだと思います(自分にはちょっと荷が重過ぎますが…)。

ブログ検索で付けてもらった人のブログを見させてもらったところ、友達同士でレベルを競い合うことなんかを期待していたのですが、そういう話題でコメント欄で盛り上がっている様子を見かけることはあまりありませんでした。やっぱりトレーニング形式というとっつきの悪さが原因でしょうか。あとダウンロードしてもらった方のブログを見てみると、現在難易度はレベル20まで用意しているのですが、ソロバン経験者の方は苦も無くクリアしてしまうようでとても驚きました。

作ったあとに後悔したことに、今回は表示形式はdivタグで行っていたのですがifram式にすればよかったということがあります(共有プラグインからのダウンロード後にゲームの内容は変えることはできても表示形式は変えられないので)。これは見栄え的にもテンプレートに依存しないので、結構ユーザの方は頻繁にテンプレートを替える様なので長く置いてもらうには有利だったでしょう。それと今回に限ればiframだとクッキーを他のブログにあるものと共有できるということもあります。クッキーを覚えたてだったので有効ドメインとか全然知らないで公開してしまって後で気がつきました。もっとも、今回のゲームは設置者がやるのがメインなのでレベル情報の流通性はそんなに重要では無いかもしれませんが、自分のレベルが他のところでも使えるとなるとほんのちょびっとレベルに対するモチベーションが上がるかなと思ったり。ちなみにこのクライアント側に情報を保存できるクッキーという仕組みは使い方によってはかなり面白い仕組みが作れそうです。一つのコンテンツで得た情報を他のコンテンツで違った形でも共有できたりすれば流通性を持った情報の可能性など、かなりあやふやなアイデアの状態ですが、いろいろと特性を活かしたものを作っていきたいです。

あとブログパーツとしてのコンテンツは、利便性やゲーム性等も大切ですが、デザインが何よりも一番大切そうです。最近は"クリスマスまでのカウントダウン"が流行っていますが、これとほとんど同じ内容のものでもデザインによってダウンロード数が10倍以上違っていますし。見栄えが最重要となると、表現力からするとJavaScriptは限界がありそうです。自分も早くお金貯めてFlash使えるようになりたいものです…。もっともそれ以前に自分はどうも美的センスは疎い方なのでなかなか苦戦しそうですが(汗

Posted on 2006/12/14 Thu. 05:19 [edit]

category: つれづれ日記

thread: 雑記  -  janre: ブログ

tag: 開発後記  ブログパーツ 
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暗算トレーニング(JavaScript) 


脳トレブームにちょっと乗って暗算ゲームを作ってみました。たまたまテレビで暗算大会があって、画面に次々と数字を出てくる装置を見て、JavaScriptで作れるかな~と思ったのがきっかけです。 でもこういうのはFlashで作ったほうが見栄えが良くなりそうなので、今度Flash作成ソフトを買うことができたら勉強がてらにそっちでも作ってみようかと思います。

実際、ネット上で見かける暗算物はFlashが多かったのですが(しかも有料ソフトだったり)、基本的には入力をキーボードで打ち込む形式で、マウスとキーボードの手の移動がめんどくさいのでブログパーツということもあって、気軽にマウスでボタン入力できるようにしました。

使い方ですが、"START"ボタンを押して画面に次々と出てくる数字を足し合わせたものを入力して"Check"ボタンで確かめます。 答えの入力は簡易電卓の要領でマウスで数字をクリックして入力してください。"C"ボタンは入力クリアです。 最初はランク0からスタートしていって徐々に難しい問題を解いていきます。 現在の自分のランクの問題を3つ連続でクリアすると次のランクにレベルアップします。一つクリアすると自動的に次の問題に移るので途中で"START"ボタンは押さないでください(押すとまた3つの最初からになってしまいます)。クリアすると出てくる上の"+"マークは3つ中何個クリアしたかを示しています。
"START"ボタンの隣のフォームでは自分のランクまでの問題レベルを自由に選べます。 自分のランクはクッキーに保存され、パソコンの電源を切っても残ります。 このランクはあくまでプレーした本人のものなので、同じブログにあるゲームでも人によってランクは異なります。 (クッキーを消すか60日間ゲームをやらないとこのランクは0に戻ってしまいます)
また、コンピュータの計算負荷が大きいとテンポ良く表示されない時もありますのでご理解の程よろしくお願いします。

ちょっと回りくどいシステムになっていますが、なるべくやればやるほど上達できるようにといろいろ考えてみた結果こうなりました。自分でデバックしながらやってみた主観なのですが毎日やり続ければ結構暗算が速くなりそうです。 レベルはとりあえず10まで用意しましたが、随時不定期に追加していく予定です。(といっても作者もまだまだそこまで到達できそうにありません…)。入力ボタンに引き算があるように将来的には足し算だけでなく引き算もできるようにしたいと思います。

ちょっとした工夫があればいろいろとこの手の脳トレ系は面白いものが作れそうなので、DSのゲームとかを参考にいろいろ作っていきたいと思います(修論が順調にいけばの話ですが…)。
ブログパーツとして利用されたい方は下のソースを所定の場所に貼り付けてください。

「iframe用」


「divタグ用」
上のでうまく表示されなかったらこちらを使ってください。
逆に、こちらはfc2ブログの共有プラグインで公開している方のソースなので、
fc2ブログの共有プラグインでうまく表示されなかった人は上のものを貼り付けてみてください。


開発後記

Posted on 2006/12/09 Sat. 07:15 [edit]

category: 自作プログラム

thread: 自作ゲーム  -  janre: ゲーム

tag: ブログパーツ  javascript  暗算 
TB: 2    CM: 26

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