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読んだ本の要約、感想など。 他にも日々思ったことをつれづれと書き連ねます。
野村ノート
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野村 克也

小学館 2005-09
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☆☆☆
弱小だったヤクルトを毎年優勝争いに絡めるまで成長させた、かの有名監督による野球の本。ID野球といわれた著者の野球理論について言及されています。

ID野球とは、単純に言ってしまえばいままでの対戦選手の行動を記録しておいて今後の相手の癖を読むのに役立てようというものなのですが、著者の優れているのはどういう行動を追跡してどのような行動を予想しようとしたのかの目の付け所がいいように思いました。単に情報を集めて予想するのは誰でもできるのですが、どのような特徴を重視してどのような目的を予想するのかをうまく決めてやらないと同じデータからでも抽出できる情報には違いが出てくるように思います。

著者はバッターの癖を4つのタイプに分類していたりています。ピッチャーの投げる球全てに対応しようとするタイプやヤマを張ってくるタイプなど。ピッチャーはその分類を基に配球を組み立てるというものなのですが、著者によると全てに対応するのは一部の天才や調子の良いときしか使えるものではなく、プロであれば来る球がわかっていればほぼ打てるので、相手の今までの配球の癖を読んで打つ方が効率が良いとしています。

ピッチャーの立場にも3つの考慮すべき要素を挙げていて、試合の流れ、自分の得意球苦手球、バッターの立場、の3つを考慮すべきであるとしていて、未熟なキャッチャーは特にピッチャーの立場で考えることが多く、バッターの思考が読めればそれだけ相手を手玉に取りやすいことを訴え、またバッターの思考とキャッチャーの思考の両方がわかればバッターとしても成績を上げることができると古田や自分を例に出して説いています。 野球は技術的な側面ばかりでなく、予測するといった頭脳的な側面も同じかそれ以上に重要であるとしています。特に巨人はこういう思考を甘く観る傾向があるのがいけないと批判しています。

こういうID野球というのは選手の日頃の意識が重要で、こういった考える習慣をいかに選手に浸透させるかが監督の重要な仕事でもあるとしています。阪神監督時代に選手にこういう意識が浸透させたのも現在の強い阪神の原因の1つであるとしています。また阪神時代を振り返った箇所もあって、星野監督が優れていたのは自分と違ってフロントに積極的に具体的にどの選手が欲しいと指示をおくっていた点にあるとしています。

本書ではこれらの理論以外にけっこう多くの部分が著者の人生哲学ともいえる著述に割かれています。ようは意識を変えることが大切であるということのようです。この本で一番印象に残ったのはやはり考えることの大切さでしょう。大概の世の中の仕組みにはなにかしらの関連ルールが潜んでいてそれらを発見できればうまくことに対処できるということではないでしょうか。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

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