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読んだ本の要約、感想など。 他にも日々思ったことをつれづれと書き連ねます。

ザ・プロフェッショナル 

4478375011ザ・プロフェッショナル
大前 研一

ダイヤモンド社 2005-09-30
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☆☆☆
プロフェッショナルとは何かを述べた本。

まずプロフェッショナルの定義から始まっていて、プロの条件とは、常に顧客の利益を最優先で考えることが第一であるとしています。またそのために、己の力量を一生磨いていく覚悟や強い向上心(著者は知的好奇心と呼んでいる)を持つことも必要であるとしています。現在は非常に変化の激しい時代で、常に変化を恐れないで変化の底流を洞察しようとする好奇心が大事だとしています。

次にプロフェッショナルが持つべき能力として、「先見する力」「構想する力」「議論する力」「矛盾に適応する力」の4つを挙げています。

「先見力」は、これからの時代は自らの提案した「見えない大陸」の4つのフレームワークを引き合いに出して、今まで存在した戦略は通用しなくなりつつあり、こうした不確実性が増大する中では既存のフレームワークや成功したビジネスモデルに頼るのではなく、常にゼロベースで考えていく姿勢が大切であるとしています。またこうした不確実性が大きい状況では変化を楽しむくらいの気概が必要であるとしています。そうした上で、たくさんの仮説を立てては検証するといった思考の試行錯誤の繰り返しをしつこくやる根気が重要であるとしていて、こうした作業を日常から続けるには常に今の体制は時代遅れになっていないかという緊張感を持つことが大切であるとしています。最後にこうした心構えを持ち続けるには意思の力と気概が一番重要であるとしています。

次に正しい先見が得られたとしても、それを実際のビジネスに落とし込むには「構想する力」が必要であるとしています。まずそのサービスはニーズがあるかという必要条件と、そのサービスにお金を払ってくれる人がいるかという十分条件を両方満たすことを考えることが必要であるとしています。次に近年のマーケットの変化の速さと規模の大きさというものの恐ろしさを説き、変化を察知してからの素早い行動を勧めています。行動を起こす際は事業を絞り込む重要性も説明しています。また常に自社の事業を批判的に観て考えることもこの変化の激しい時代では必要であるとしています。

これまで述べたような先見や構想を得るには1人の力では難しく、様々な人の知恵を統合するために「議論する力」が大切であるとしています。議論の力を伸ばすに当たって、まず万国共通の理解の土台となる論理力が必須であるとしていまが、議論の過程においては仮説を立てる→検証するのサイクルでまわることが多く、その際に仮説を目標と混合してしまったり、会議は予定調和で行われるものだという固定観念の問題も多くあり、議論に臨むためのマインドもそれ以上に重要であるとしています。また疑問を持つ、自分の考えを言葉に落とす、しつこく問い続ける、自分の頭で答えを探す、といった習慣が著者自身の経験からも大切であるとしています。
最後には、考え出したプランを実行に移したりする際に起こる、理論との矛盾に適応するための適応力もリーダーとしては必須の力であるとしています。

ここで述べられているプロフェッショナルとは、ビジネスマンを想定したものなのでしょうが、そのうちでも主に個人としての構想力などの考える力について述べていたところが多く、日々の仕事に対するメンタリティなどには言及しているところは予想はしていましたがあまり紙面は割かれていませんでした。ですが議論する力、考える力などはどのような職業についても大切な能力であると思います。本書では著者も若い頃に日記や読んだ本の感想などを書く習慣がありそれが考える習慣に役立ったと述べている部分が心強く思うところではありました。

Posted on 2006/07/21 Fri. 17:04 [edit]

category: 読んだ本

thread: ブックレビュー  -  janre: 本・雑誌

tag: 感想  要約  大前研一 
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