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戦略「脳」を鍛える
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まず最初に、戦略とは、競争に勝つためのものであり、競争相手が自分と同じように勝とうとする意思と自分と同じ情報源を持つ限り既存の戦略のフレームワークを知ることは勝つための必要条件であっても十分条件たり得ず、フレームワークに+αでユニークさが必要であるとしています。
ユニークな戦略に必要な要素として、「定石」+「インサイト」を挙げています。「定石」は既存の戦略論で、「インサイト」とはBCG独特の「洞察力」の表現だそうで、このインサイトはさらに分解できて、
「インサイト」 = 「スピード」 + 「レンズ」
で表すことができるそうです。さらにスピードは
「スピード」 = ( 「パターン」 + 「グラフ発想」 ) × 「シャドウボクシング」
で表現できて、パターンは既存の問題解決に当たって頻繁に見られる事象をフレームワーク化したもので、いちいち物事を最初から考えるのではなく、最小の単位であるフレームワークを組み合わせることで思考を効率化することを可能にするそうです。その例として様々な必須コンセプトワードが簡単に紹介されています。
グラフ発想とは、データから大まかな潮流を知るために資料データをグラフ化して視覚化することによってイメージを掴みやすくするものだそうです。
シャドウボクシングは上記2つを使ってイメージ主導で仮説を構築した後に論理的、批判的に仮説を検証して仮説をブラッシュアップさせていくことをさしていて、意識的にイメージ構築と論理のチェックを切り替える大切さを説いています。
次にユニークな戦略を作るためのものの見方として「レンズ」を挙げています。「レンズ」は
「レンズ」 = 「拡散」 + 「フォーカス」 + 「ヒネリ」
の3つで構成されています。
「拡散」は物事を広く捉えることでチャンスを見出すもので、使用用途により市場を見直して本来見落としていた市場を見出す「ホワイトスペース」や、自社のサービスをプロセスの一部としてに見ることで新たなチャンスを見出す「チェーン」、またサービスがどのような進化をしてきたかを観てこれからのチャンスの到来場所を読む「進化」という見方が紹介されています。
「フォーカス」ではユーザになりきってサービスの盲点やあらたなチャンスを見出す「なりきり」や、ユーザ浸透のために効果的な要素を集中して追及する「てこ」、利幅が厚い部分を抽出する「ツボ」などが紹介されている。 「ヒネリ」では思考をジャンプさせるために人と逆のことでチャンスがないか考える「逆張り」や、データの外れ値からなにかしらのチャンスや予兆を見出す「特異点」、あるもので成り立ったやり方が他の事で使えないかを考える「アナロジー」が紹介されています。
本書では思考という掴み所のない作業を整理することによって思考作業を把握しやすくすることによって思考の上達を助けてくれると思います。戦略立案作業を階層化構造でわかりやすく表現しているのはさすがコンサルタントだと思います。
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