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読んだ本の要約、感想など。 他にも日々思ったことをつれづれと書き連ねます。
読書と社会科学
読書と社会科学読書と社会科学
内田 義彦

岩波書店 1985-01
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☆☆☆☆
社会科学者による読書をどう活かすかについての本。 著者は読書を行うのは、本で情報を得るというのはもちろんあるけど、それとともに本で得たものの見方で世の中を見られるようになるということも大事だとしています。このことを社会学では概念装置を獲得するというそうですが、そのための方法を著者の経験をもとに説明しています。著者によると本を読む時は、まずその本の著者を信頼することが大切であるとしています。だがその反面、完全に著者に寄りかかってもいけないともしています。自分の意見と違うところがあったら、この著者がそんな単純な間違いをするはずないと著者を信頼しつつ、なぜこのような考えに至ったのかということに関しては批判的に見ることが大切であるとしています。

このように批判的に考える方法として本書の最後のほうで自然法という実際の社会科学での概念装置の説明があります。かなり古い概念だそうですがかいつまんで言うと、世の中には法律というものがあるがその法律は人間が作ったものであり守らないと罰を受けます。一方同じ法でも自然科学で言うところの法は法則で、これは人間が作ったものではなく、また守らないと(法則を考慮しないでなにかをしようとすると)罰を受けることはありませんがやろうとしたことは上手く運ばないでしょう。法律というのも本来はこういう自然法的な合理性を持つべきである、というのが自然法という概念らしいです。もちろん現代は科学の万能性が崩れだしているので当時の自然科学(あるいは神)に対する信頼感覚とはまた違ったものになるでしょうけど、ともかくいまある秩序は何らかの理由があって存在しているものでその秩序ができた時は有効でも現在では状況が変わって有効でない場合もありえます。だからそれらの起源も含めて全体を貫く法はどういうものであれば上手くいくかを考えることが今ある秩序を考える上で重要であるということでしょう。

その他にもこれらの概念を身につけるのは頭の中だけで理解するのではなく自分の日常的感覚と結び付けないといけない、といったことや、そのために要約するだけの読書ではなく納得のいかない文章と出合ったら徹底的に自分の感覚や経験とすり合わせてしつこく読むことが大切であるともしています。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

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