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脳と創造性 

脳と創造性 「この私」というクオリアへ脳と創造性 「この私」というクオリアへ
茂木 健一郎

PHP研究所 2005-03-19
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☆☆☆☆★
要約
筆者は新しいものを生み出す力の重要性を説きながらも、創造性は天才にだけ宿るものではなく、我々人間が生活を営む際にも存分に発揮されているものであるとし、そうした日常から人生をよりよく生きるためにどのようにして創造性と向き合えばよいかについて述べている。

創造性を発揮するためには、不確実なことにも取り組まないといけない。その時に、論理的な計算では根本的に不確実な世界では完全な適切な解を出すことはできず、どこかで不確実性を受け入れ、それに対して決断することが要求される。また不確実な状況で興奮する神経細胞も発見されており、もともと人には進化の過程で不確実性に向かっていくための適正が備わっているらしい。またこうした不確実に向かっていく際の勢いと個人の指針を与えてくれるのが感情の働きであり、感情を制御するのではなくその力強さを元に不確実性に向かっていくことが大切であると説いている。こうした不確実性には不安が付きまとうため、確実性とのバランスが重要で、ある程度の確実性を担保した状態が望ましいともしている。

また、創造性はその人が持つ信念と外界とのずれから派生してくるものであり、そのようなずれは不確実性、主に他人や自分の無意識との対話から生まれてくる。特にまったくの他人とコミュニケーションを行うこと自体が不確実性に対する創造性の発露であるとし、コミュニケーションを行う際に生じる認識の違いが、新しい認識を生み出す創造性につながるとして、そうした遇有性を柔軟に楽しむ心構えの大切さを説いている。 また、人の脳は考えている内容と、声や文章などアウトプットして再び耳や目からインプットした内容が一致するのものではなく、ぞうしたずれからまた新たな考えが生まれることが多く、アウトプットすることで自分と対話することの重要性についても言及している。

人は感じるものを理性的な文脈から判断しようとしてしまいがちであるが、第三者的な文脈的に物事を捉えてしまうと自分の体験としての、著者がクオリアと呼ぶところの一人称的な感覚に真剣に寄り添うことができない。よりよく生きるためにはそうした第三者的な文脈を一度はなれて、自身の文脈を大切にして感覚と付き合うことが大切であり、こうした自分自身の原体験となるクオリアを増やすことこそがレパートリーの蓄積となり、社会文脈的にもまったく新しい創造を得るために重要であるとしている。

人生で一回しか起こらないことにどれほどの意味があるのか、ということにも言及していて、人は一度しか体験できない強烈な感情を伴った体験を得ると、再び体験したいと恋しがるが、そうした体験は一度であっても脳に不可逆的な変化を引き起こし、たとえその体験が感情的に薄れてしまっても、その人のものの感じ方を知らず知らずのうちに変えていくものであり、再び体験する必要性はそれほど無く、そうした一回性の体験こそがその人の感性を豊かにするものであるとしている。また日常における何気ない一回性の体験も、カオス的な影響力によってそれが常に人生に影響を与えることを説き、それがその人にとって良い結果をもたらすかはわからないが、そうした日常における一回きりの体験の重みを知ることで、人生の味わいをより深いものとして認識することを説いている。

感想
本書は創造性についての本であるが、具体的な創造力を発揮するための示唆を与える本というよりは、本来創造的であるはずの生に真剣に寄り添うことの醍醐味を教えてくれる本であると思う。不確実な遇有性に柔軟に対応することから創造が生まれ、またそうした遇有性から生まれるクオリアこそが人生を生きる上での醍醐味であるという考えは、何気ない日常にも意味を与え、不確実な出来事を楽しむ心構えを教えてくれる。
本書は主観的な感覚に訴えてくるもので要約のしにくかった本であったが、何度か読み返してみるほど、著者の説く処の深みがわかってくる味わいのある本だった。 自分はどちらかというと実利的なノンフィクションばかり読んできたが、本書は主観的な感覚を拾うことの大切さや面白さにも目を向けさせてくれた。こうしたジャンルも今後読んでいきたいと思う。

Posted on 2006/11/10 Fri. 01:18 [edit]

category: 読んだ本

thread: 読んだ本。  -  janre: 本・雑誌

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