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プロフェッショナル原論 

プロフェッショナル原論プロフェッショナル原論
波頭 亮

筑摩書房 2006-11-07
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☆☆☆☆★
感想
内容は表題のとおり、プロフェッショナルとはどうあるものか、についてのものですが、プロフェッショナルの思考法やスキル的な側面ではなくプロが持つ高い倫理規範などについて熱く述べられているところが他のプロフェッショナル本とはちょっと違うところでしょうか。著者は外資系コンサルタント出身の人ですがかなりストイックな方です。
プロがプロたる所以はその能力の高さもありますが、何より常に高みを目指す、真の意味で自分ではなく相手のために尽くす、等、自分に課す厳しい規律があるからということがわかります。自分にとってはプロフェッショナルなどは青天の霹靂で、規範などとは程遠い生活を送っていますが、プロが成果を出すために厳しく自分を律することができるのも、プロという生き方に憧れを持つことができるからこそなのだとも思えます。 自分がプロの規律を持つことはなかなかできそうにありませんが、こうした人たちに対する強い憧れは持つことができます。こうした憧れに沿うような行動を日常で暮らす中で少しでも増やせるように精進していきたいものです。

要約
まずプロフェッショナルの定義として、形式的な要件としては、高度な職能、依頼による顧客の問題解決形式の仕事、独立した立場を、意味的な要件としては、公益への貢献、厳しい掟の遵守、がある。ここでは弁護士や医者などがそれに該当する。プロスポーツ選手などは、仕事が依頼形式ではないことや、直接的な公益への貢献という意味からは狭義のプロフェッショナルとはいえないかもしれないが、自らに律する厳しい規律を持つ者などは広義のプロフェッショナルにあてはまる。 プロフェッショナルの魅力としては、仕事を選ぶ自由、組織に属さなくても仕事が出来る安心、また、自尊の念と社会からの敬意が挙げられる。 あくまでプロの仕事は属人的であるため組織に依存せず、サラリーマンであれば、自分の能力以外の要因によっても仕事が割り振られたりするようなリスクもなく、成果も全て自分の実力次第である。もちろん逆にそれは仕事の成果へのプレッシャーにも繋がるが、成果が直接的であるため仕事の成果に対するプライドにもつながり、また公益に対する貢献から社会から受ける敬意も大きいものになる。

プロフェッショナルが自らに課される掟として、顧客利益第一であること、結果が全てであること、常に仕事の品質を追求すること、コストを最小化するのではなく価値を最大化すること、全権意識を持って仕事に取り組むこと、が挙げられる。
顧客利益を第一とするのは当たり前かもしれないが、顧客の利益には繋がるが顧客の意にはそぐわないような提案も躊躇してはいけない。なぜなら顧客の意にそうようにすることは自らの利益を考えてのことであり、高い職能による情報の非対称性による公益の観点からプロは常に顧客の利益を第一に考えなくてはならない。
またプロは仕事が選べる自由がある代償として、一度請け負った仕事はなんとしても成果を出さなければならない。その過程は全く関係なく結果が全てである。卓越した職能よりもこうしたプレッシャーの中で仕事を続ける精神力こそがプロたる所以であろう。
プロが卓越した職能を維持するには常に自分の仕事の質を最大化するように努力をしなければならない。それはその個人の最大限の成果ではなく、世界一という絶対的な質を追求するべきである。これはかなり厳しい掟に思えるが、プロはむしろその高いプライドから自分の実力の見せ場であると嬉々として取り組む。
プロはその成果を最大化するように心がけるべきで、時間や費用などケチっていてはいけない。サラリーマンなどは直接的に成果にコミットしていないので目の前のコストを削減するために無駄な労力を払うこともあるがプロはそうはいかない。またそうしたケチが仕事の成果への追求心を弱めてしまうことにもつながりうる。
またプロは仕事に対して全権意識を持って自立的に取り組む。そのため仕事のプロセスは誰からもチェックしてくれないないため全て自分で仕事を進める責任を有する。人にアドバイスを求めることはあっても、頼ってはいけない。あくまで自分の力で成果をださなければその人がプロである意義が無くなるからである。
プロと同等の職能を持つサラリーマンはいるかもしれないが、本来のプロフェッショナルはこうした掟を備えているからこそ、卓越した成果を常に出し続けることができ、プロでいられるのである。

次にプロの仕事の仕組みとプロが仕事をするために所属する組織について。まずプロは顧客とは対等な関係であり顧客の目的を達成するための対等なパートナーであり、お互いの信頼関係がなければ問題解決はおぼつかない。 またプロは基本的に仕事を売り込まない。あくまでプロは公益のために存在するのであり、自分の利益のために働いてはいけない。また仕事を請けるときは自分が確実にその顧客のために成果を出せると判断した時でなければ請けてはならない。高度な職能が必要とされる仕事では顧客との情報の非対称性が生じるため仕事の妥当性が依頼人にはわからないことが多く、プロが誠実でなければ公益に反することになる。
また、プロが得る報酬の仕組みについて、一般には時間単位のフィーに実働時間を乗じたものとなる。この時間単位のフィーはそのプロの実力を現したものであるため、プロのプライドが懸かった数字であり値引きには応じない。貧乏だがどうしても助けてあげたい人がいた場合は中途半端に値引きするよりタダで引き受けるくらいだという。また基本的に成功報酬は禁止である。なぜなら、成功しないと受け取らない、というのは成功しなかったときの逃げにもつながり、プロは仕事を引き受けた以上はかならず成功させなければならず、最低限そうした気概は必須であろう。 プロの仕事は属人的で組織に依存するものではないが、社会においてプロの仕事を円滑に進めるためには、各業界に協会やファームといった組織が存在する。これらの組織はプロになるための試験などのフィルターを用意することでプロの力量を保障することでプロ全体のの威厳を守ったり、あるいは組織的にプロの仕事環境の向上のための便宜を図ったりする。

次にプロの行動特性について。プロの特徴として、行動的、意欲的、個人主義的、論理的、ということが挙げられる。 プロは常に最先端について知っていなければならず、いきおい日常生活でも好奇心旺盛で行動的となる。まずタフであり、思い立ってからの行動が早いのが特徴だ。またプロは日常生活や趣味であったも常に最上質を求め、高い目標を設定し、安易に撤回したりはせずそれを意欲的に達成していく。 またプロは人と群れるのを好まない。それは仕事の進め方を完全に自分で進めるワーキングスタイルからくるものであり、安易な同調は無能とされ他人と異なった意見やアイデアが求められる環境にいることからきているのだろう。またプロは問題解決を仕事としているため非常に論理的であり、原因と結果の因果関係の構造を整理することを無意識の内に行い、そういった追及を行うのが癖になっている。プロの話法としては、明快に自分の意見を述べる、その根拠を必ず述べる、選択肢や可能性を複数挙げる、といった特徴がある。こうした癖が出ると一般では煙たがられることもある。こういった特徴を述べると誤解されそうだがプロは論理的であるが、同時に実務家でもあり、一般に常識人であることも補足しておく。高い技能を持ちながらも、常識人であることから威厳を纏った存在感を示すことができるのだ。

最近は建築士や会計士といった本来プロである人達による、自分の利益を追求しようとした結果の犯罪が起こっている。プロは誰にもその仕事を監視されないし、求められる職能の高さゆえにそれを評価できる人も少ないため、こうしたことが起きる危険性はもともと高い。またその公益への貢献から特権的に与えられている権威も誘惑となる。こうした要因に加え、近年の日本ではお金による価値観が肥大化してしまったために、利益に走るプロが出てきたのだろう。こうした傾向はプロフェッショナル全体の危機でもあるが、プロが自分の利益のためにプロフェッショナリズムを棄てる代償も大きく、それによって企業の手先に成り下がったり、法を犯すはめになって社会的な尊厳を失ったり、自己への自尊の念を失うことになり結局割に合わない。最初に述べた永い歴史にわたって存在してきたプロフェッショナリズムはそんなにやわではない。プロフェッショナル各人がおのおのその本分を発揮していればおのずとプロの尊厳は守られる。むしろこうした金銭的な価値観以外の誇り高い価値観を、その仕事や生き様を通じて今の社会に伝えることができれば、それこそが大きな社会貢献につながるのではなかろうか。

Posted on 2007/01/12 Fri. 03:00 [edit]

category: 読んだ本

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