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Author:YOTTI
関東在住のエンジニアの卵
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| 入門! システム思考 |
ビジネスや組織活動において、様々な問題を解決するために50年代にMITで考案され、GEやGE、デュポンなどの企業で取り入れられ成果を挙げているという”システム思考”を紹介した本です。最近は様々な問題解決の本が書店で見られますが、本書で取りあげられているシステム思考は複雑に絡み合った要素の"因果関係"を解き明かすことに重点をおいていて、問題を明快に分解して確実に論点を絞り込んでいく分析的な論理的問題解決法のような明快さはないものの、原因→結果→原因など原因と結果が相互に影響を与える関係や、時間差を伴って現れる関係など、意識しないと気づきにくい問題の構造が、環境問題から習い事が続かないなど身近なケースまで様々な例とともに紹介されています。今より少し広い視点から問題を考える癖を磨くためのよいきっかけになる本ではないかと思います。
本書で紹介されているシステム思考で用いられるツールは2つあります。
1 ) 時系列変化パターングラフ
2 ) ループ図
1)のマップは自分が改善したいと思う要素やそれに関連すると思われる要素を縦軸に、時系列を横軸にとったグラフで、グラフ中で過去の軌跡、このままだとたどると思われる軌跡、望ましい軌跡をみいだします。
このツールの主な目的としては時間的な中で因果関係を考えるきっかけになることが挙げられ、近視眼的にならないように時間軸は長く取るのがコツだそうです。
次のループ図はシステム思考の基幹ともいえるツールで、それぞれの要素の因果関係をグラフでつないでいくことによって関係性を可視化します。グラフでは要素間の因果関係の他に、その因果関係がプラスに作用するのかマイナスに作用するのかも同時に書き込みます。そしてできあがったループ図からループするパターンを見出します。現在の変えたいと思う状態は何らかの因果関係がループ上に働くことで悪い方向に向うか悪い状態にとどまってしまうと考えるのがシステム思考の特徴でしょう。そして見出したパターンの連鎖を止めるためのポイントを因果関係から見つけて対処することでひとまず解決となりますが、解決は往々にして予想もつかない所から次の問題の発生につながっているため、こうした因果関係を常にチェックすることが大切であるとしています。
そして次に、システム思考から導かれる知恵として、今日の問題は昨日の解決から生まれる、解決のつぼは解決とは一見遠いところにある、問題パターンはあくまで構造が引き起こしている、人や自分を責めない、世の中には副作用はなくあるのは作用だけ、システム思考はコミュニケーションツールでもある、などが紹介されています。他にも、強者はより強くなる、共有地の悲劇、成長の限界、などシステム思考を通じて頻繁に見られる因果関係のパターンも紹介されています。
こうしたシステム思考を実問題に用いる際に大事な点は、システム思考をコミュニケーションに用いることであるとしています。チームで問題に取り組む際にはメンバーと問題点を共有化することがまず解決のための第一歩になるのですが、このように因果関係をグラフで表すことで問題の構造を共有しやすくなります。そして問題を属人的な原因として捉えるのではなく、あくまで構造から起こるものだと考えることを促し、より効率的にメンバーで解決策を練ることに専念することができます。
本書で述べられているシステム思考の要点を自分なりにまとめると、時系列を交えた因果関係のループパターンを見つけ出す、ことに尽きると思うのですが、問題解決のアプローチとして問題をループ(悪循環)に絞っていたのは少し新鮮でした。そして悪循環を見つけるためには物事の因果関係を幅広く把握しないといけないのですが、そのためのシステマテックな方法までは本書では述べられていません。やはり問題を解決するためにはある程度のセンスや努力が必要なのでしょうが、本書は因果関係はいたるところに存在していることに気づかせてくれます。そうした気づきから少しずつ考える癖が生まれてくるのかもしれません。
ただし本書でも少し紹介されていた因果構造の頻出パタンはいろいろとあるそうで、同じ著者がそれらをまとめて書いた「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?」という本があるそうなので機会があればそちらも読んでみたいです。
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